インフルエンザ脳症は予防接種で防げるか?他の予防方法は?解熱剤が原因って本当?

インフルエンザワクチンの季節になると、インフルエンザ脳症が心配だから、インフルエンザワクチンをしたという話もよく聞きます。
インフルエンザワクチンはインフルエンザ脳症に効果があるのでしょうか?
他の方法で予防はできないのでしょうか?
そして、インフルエンザ脳症は解熱剤が原因って本当なのでしょうか?
気になる疑問にお答えします。

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インフルエンザ脳症は予防接種で防げるか?

よく小児科にはってあるポスターなどには、「インフルエンザ脳症を予防するために、インフルエンザワクチンを接種しよう!」みたいなことが書いてあります。
こう書いてあると、インフルエンザの予防接種をすれば、インフルエンザ脳症は防げると思う人が多いと思います。
実際にはどうなのか?

結論はインフルエンザの予防接種ではインフルエンザ脳症は防ぐことができません。

インフルエンザの発症のリスク自体は減らすことができるかもしれませんが、もしもインフルエンザになってしまったら、ワクチン自体にはインフルエンザ脳症を防止する効果はありません。
インフルエンザワクチンを打っておけばインフルエンザ脳症にはならないと考えて安心するのは危険ですので、正しい情報を知識として持っていてくださいね。

インフルエンザ脳症を予防するためにはどうしたらいいのか

インフルエンザワクチンはインフルエンザ脳症の予防には効果がないということはお伝えしました。
「だったら、インフルエンザ脳症の予防はどうやってしたらいいの?(´・ω・`)」という疑問が出てくると思います。

インフルエンザ脳症の一番の予防は、インフルエンザにかからないということです。
インフルエンザの一番の予防は何かというと「流行の多い時期に人ごみに連れて行かない。」が一番の予防策になります。
それ以外には基本的なうがい・手洗いなどはしっかりして下さいね。
でも、実際には保育園や幼稚園、学校などに行かないわけにはいかず、人混みを避けるというのは難しいですよね・・・(;´Д`)

そのため、インフルエンザかもしれない急な発熱があったら、24時間以内に病院を受診するというのがインフルエンザ脳症の予防には大切です。
抗インフルエンザ薬が脳症を抑制できるかどうかは実はまだはっきりとはわかっていません。いったん体内に入ったインフルエンザウイルスは猛烈な勢いで増え続けて、症状が出てから2~3日後に最も数が多くなります。ウイルスの量が最大になる前、つまり症状が出てから48時間以内に抗インフルエンザ薬を使って増殖を抑えれば、病気の期間を短くし、症状の悪化や脳症などの合併症を防ぐことができる可能性があると考えられています。
受診が遅れるとウイルスがすでに猛烈な勢いで増殖していたり、急激な症状の悪化でインフルエンザ脳症を発症してしまう可能性があります。
また、インフルエンザだと診断がついていれば、「インフルエンザ脳症になる可能性がある」と考えて、症状に注目しながら観察することができます。

もう一つ、とても大切なことが、市販の解熱剤を持っていても、子どもには絶対に使わない、アイスノンなどで頸や頭を冷やすだけにするということです。
インフルエンザにかかっているときに、服用すると、重症化が疑われている解熱剤があります。

インフルエンザにかかっている場合に服用すると重症化が疑われる解熱剤
・メフェナム酸(商品名:ポンタールなど)
・ジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)
・アスピリン(商品名:バファリンなど)

そのため、家にあるものや市販の解熱剤を個人の判断で使用すると、インフルエンザ脳炎のリスクが増します。
かならず、小児科を受診して処方された薬だけを使うようにしてください。

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インフルエンザの時に解熱剤は必要か?

インフルエンザの時には使ってはいけない解熱剤があるということをお伝えしました。
これらのお薬をなぜ使ってはいけないのか、簡単に説明しますね。

インフルエンザウイルス感染は細胞のミトコンドリアという物質の機能を消費します。
上に挙げたサ解熱剤の分解のためにも、細胞のミトコンドリアの機能を消費します。
このため、インフルエンザウイルスが体を攻撃している時に解熱剤を飲むと、細胞がへとへとになって機能できなくなってしまうのです。

インフルエンザ脳症では、免疫機能が過剰に反応して脳神経系が攻撃されます。
それに加えて、脳神経のミトコンドリアの機能も消費されると、持ちこたえるはずだった神経細胞がやられてしまいます(´;ω;`)
そのため、インフルエンザ脳症が発症しやすくなる、というわけです。

解熱剤でインフルエンザ脳症になる可能性が高まると書くと、解熱剤を使うのが怖くなってしまいますが、アセトアミノフェン(商品名:アンヒバなど)はインフルエンザの罹患時に使用される代表的なお薬ですので安心して使用できます。

ただ、ここで考えてみてほしいのですが、インフルエンザの時に、解熱剤は必ずしも必要でしょうか?

普段健康な人がインフルエンザになったとしても、インフルエンザ自体は十分に水分を摂って数日安静していれば治る病気です。
高熱が出るのはウイルスの攻撃から体を守るためで無理に解熱剤を使用して体温を下げると体の防御機能が落ちてしまい、逆に回復が遅れてしまいます。
ですから、熱が出たからといって直ぐ熱を下げる必要はないんです。
お子さんがインフルエンザになってしまったら、すこしでも楽にしてあげたいと解熱剤を使いたい気持ちはとてもよくわかります。
でも、そうすることで、回復までの期間が延びてしまうことがあることも覚えておいてください。じっと見守ることが一番良いことも多いのが実際のところです。

ただし、けいれんのリスクが高い人や、40℃以上の高熱が続く場合には体力が消耗したり、脳に影響が出る場合が考えられるので、そういった場合には解熱剤を用いて体温を下げる必要がある時もあります。そういった場合には、医師としっかり相談して決めて下さい。

まとめ

いかがでしたか?
インフルエンザの予防接種ではインフルエンザ脳症は防ぐことができません。
インフルエンザ脳症の予防には、インフルエンザにかからないようにすること
感染したかもしれないと思ったら早めに受診すること
解熱剤をむやみに使わないこと
が大切です。
また、解熱剤が本当に必要なのか?ということも、再度考えていただければと思います。

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