子供がかかると高熱が出たり強いのどの痛みがでる溶連菌感染症。
実は子供だけではなく大人にも感染するということをご存知でしょうか?
今回は溶連菌感染症に大人がかかったときの症状の特徴や病院にかかるべきかどうかという点についてお話します。
溶連菌の大人が感染したときのの特徴は?
のどの痛み
溶連菌感染症の一番の特徴的な症状は強いのどの痛みです。
他の症状が出なくても、のどの痛みは必ず出現します。
重症の場合には扁桃腺の周辺に白い小さなできものがたくさんできてしまいます。
唾液を飲み込むだけでも強い痛みが出るため、食事や水分が取れなくなってしまうこともあります。
のどの痛みは溶連菌感染症の数ある症状の中でも一番長引きやすい症状です。
発熱
子供の場合には38度から39度の高熱がでます。
ですが大人の溶連菌感染症では必ずしも高熱がでるとは限りません。
微熱くらいの発熱で済む人もいますし、子供と同じように高熱が出る人もいます。
場合によっては全く発熱がないということもあります。
イチゴ舌
溶連菌感染症では舌にできものができることがあります。
赤い小さなできものがたくさんできることで、舌がまるでイチゴのように見えることから、この症状をイチゴ舌と呼びます。
溶連菌感染の発病初期には、赤いできものではなく白いできものができます。
この白い膜が脱落することでできものが赤くなり、イチゴ舌となります。
そのほかの症状
これらの他にも頭痛や倦怠感、嘔気や腹痛などが出る場合があります。
溶連菌 大人は自力で治る?
溶連菌は自力で治るの?
実は溶連菌感染症の原因となる溶血性連鎖球菌という病原菌は体のなかにいつも住んでいる常在細菌のひとつです。
通常、人間の咽頭部分に住んでいる菌であり普段はうまく共存しているため症状が出ることはありません。
ですが免疫力が低下することで溶連菌が異常に増殖し、のどに炎症を起こしたりしてしまいます。
発病するとご紹介したような症状が現れますが、ほとんどの場合は重篤化することなく命に危険が及ぶことは稀です。
早く確実に治したい場合には耳鼻咽喉科にかかることをおすすめしますが、実は自然治癒することもあります。
ではどうして溶連菌感染症が疑われた場合には通院をすすめられることが多いのでしょうか。
次項でお話します。
溶連菌 大人でも病院にかかった方がいいのか
なぜ受診したほうがいいの?
子供の場合にはすぐに受診しますが、大人の場合にはちょっとした風邪などで受診することはあまりないですよね。
溶連菌感染症が疑われる場合でも、自然に治るなら、と受診をためらう人もいることでしょう。
受診を進められる理由の一つは、辛い症状を早く改善することができるからです。
溶連菌の増殖により、高熱や咽頭炎などによりのどの痛みや倦怠感が出ます。
体がだるいと何もできませんし、のどが痛いと水分や食事をとるのも辛いでしょう。
また、早めに受診をすることで溶連菌感染症による合併症状の出現を防止することができます。
溶連菌による高熱を放置すると、稀に糸球体腎炎やリウマチ熱というさらなる苦痛をともなう病気にかかってしまうことがあります。
合併症を引き起こすと回復が遅れてしまいますし、辛さも倍増してしまいます。
糸球体腎炎とは腎臓の組織の炎症により、尿の性状に異常をきたし、一時的に透析をする必要も出てきてしまう疾患です。
リウマチ熱は関節に起こる炎症で、手足の関節に強い痛みが出現します。
このような恐ろしい合併症を防ぐことを目的として受診を進められるのです。
さらに、溶連菌感染症は他人に移る可能性のある病気です。
自然治癒するからいいや、と言っていつもどおり人と接してしまうと、あなたはよくても他の人に移ってしまうことがあります。
他の人に移さないためにも病院を受診し、早めに治すことが大切になってきます。
どの診療科にかかればいいの?
前項でご紹介したような症状が現れ、溶連菌感染症が疑われる場合には耳鼻咽喉科を受診しましょう。
溶連菌感染症はのどの感染症に分類されるため専門が耳鼻咽喉科となるからです。
耳鼻咽喉科を受診すると簡単な検査を行い、抗生物質が処方されます。
内服をしっかりとしていればいずれ症状は落ち着いてきます。
一般的には3~5日で症状は消失します。
また、抗生物質を内服して1日経てば他人に移る可能性はほとんどなくなります。
まとめ
このように、溶連菌感染症に大人がかかった場合には自然治癒することもあります。
ですが耳鼻咽喉科にかかったほうが早く治りますし、他人に移る可能性も低くなります。
できるだけ早めに受診することをお勧めします。