お墓参りの時のお供えのお線香、帰るときにどうしていますか?
お線香はお供えすればよいというわけではなく、きちんと後片付けが必要になります。
ですが、せっかく火をつけたお線香。
消して帰ったほうがいいのか、つけたままでいいのか迷ったことはありませんか?
今回はお墓参りの後のお線香の正しい消し方や後始末の方法についてご紹介します。
墓参りの後線香の火は消すのが正しいの?
墓参りの帰りに線香の火は消した方がいいの?
亡くなった方は香りを食べるという仏教教典の記載から、お墓参りの時には線香をあげるのが一般的となります。
お線香は火をつけるととてもいい香りがしますね。
生前に善い行いをした人は良い香りを食べ、悪い行いをした人は悪い臭いしか食べられないとされます。
お墓に眠る故人は善い行いをした善人であり、お線香のようなよい香りを食べるという遺族の願いが込められているとされます。
火を消してしまっては香りも消えるのでは…と考えると帰る際に火をどうしたらよいのか迷うのも仕方がないことでしょう。
火をそのままにして帰るのは火事になってしまう危険性もあり心配な方も多いでしょう。
まずはお寺や墓地のルールを確認してみましょう。
お寺や墓地によってはお線香の火の始末のルールが決められている場合もあります。
ルールがあればそれに従いましょう。
では、特に墓地側の決まりがない場合にはどうしたらいいのでしょう。
お盆時期など、お墓参りにたくさんの人が訪れると予測される時期にはお線香の火をそのままにして帰る場合もあります。
自分たちの後すぐにお墓参りに来る親族がいる場合には、お線香の火はつけっぱなしにして帰っても、次に来た人が後始末をしてくれれば問題ありません。
ただし、風の強い火や乾燥している火は火事の危険性も考慮したほうがよいでしょう。
火事が心配な時や自分たちの後にすぐお墓参りが来るかわからない時にはお線香を片付けて帰るのがマナーです。
水をかけて消したり、手であおいで消します。
灰と燃え残りのお線香は回収しましょう。
故人のために一番良い方法とされるのが燃え尽きるまで待つことです。
燃え尽きるまで側にいれば火事の危険性もないですし、何よりも亡くなった方に十分な香りを届けることができます。
長いお線香は燃え尽きるのに時間がかかりますが、短いサイズのお線香も販売されています。
時間がない時には短いお線香でもよいでしょう。
燃え尽きたのを確認したら燃えかすや灰はきちんと処分しましょう。
墓参りの線香の消し方は?
息で吹き消すのはマナー違反
お線香は清いものとして扱われます。
亡くなった方にお供えする清いお線香は息で吹き消すことがマナー違反とされます。
人間は普段さまざまな命をいただいて生きています。
豚や牛、鳥、魚などの肉を食べて生きる人間の息は穢れたものとされます。
神聖なものであるお線香に穢れた息を吹きかけるのはご先祖様に失礼になります。
また、普段の生活でも、自分の息を他の人にわざわざ吹きかける人はいませんよね。
線香の火を息で吹き消すことは故人に息を吹きかけているのと同じとされます。
手であおいで消すのが正解
線香の火を消す時には手であおいで消すのが正解です。
ただし、どちらの手でもよいというわけではないのです。
仏教の始まりであるインドでは右手が神聖な手であるとされます。
食事は右手、トイレなどの汚い作業には左手を使うという風習があります。
そのため、お線香を持つ手は右手となります。
右手で線香を持ち、左手であおいで消します。
また、右手で線香を持ち、縦に線香を振って火を消すのも正解です。
横に振ってしまうと灰が飛び散るとされるため、縦に振りましょう。
水をかけて消しても良い
あおいで消したり、振って消すのはうまくいかないときがあります。
完全に火を消したい時には水をかけて消してもよいとされます。
水をかけて消した場合には、お墓をきれいに拭いてから帰りましょう。
墓参り 線香の後始末はこうすればOK
お墓参りはご先祖様の供養のために行われます。
お墓周りをきれいにして、お花やお線香を供え、しっかりと祈りを捧げます。
お墓参りが終わったあとのお線香はよほど次々とお墓参りの人が来ることが予測されない限り、きれいに片付けて帰ったほうがよいでしょう。
火事になる危険性や灰が飛んで周りのお墓に迷惑がかかるだけでなく、ご先祖様に失礼になります。
燃え尽きるのを確認したり、火を消したりして線香の火を始末したら、灰もきれいに片づけましょう。
お花や果物などのお供えはカラスに荒らされてしまうこともあるため、持ち帰ったほうがよいです。
線香の燃えかすや灰はきちんと集め、香炉周りはきちんと拭きましょう。
こうして、お墓周りにものが残されていないか確認してから帰ればOKでしょう。
まとめ
このように、お墓参りの後のお線香は基本的には消して片付けてから帰るのがよいとされます。
火事になったり灰が飛び散ってしまったらご先祖様に失礼ですし、周りのお墓にも迷惑が掛かります。
ご先祖様を供養する気持ちとともに、安全面や周りのお墓への配慮も大切にしましょう。