お墓参りの時にはお花を持参する方が多いことでしょう。
お葬式などで使う植物としてはとしてしきみ・しきび・榊などを思い浮かべる方が多いと思います。
これらの違いとはどのようなところにあるのでしょうか。
また、これらの他にお供えに適した花はどんな種類があるのでしょう。
今回は墓参りの供花についてご紹介します。
墓参りの供花しきみ・しきびとは?
しきみとは?
しきみとは漢字では樒と書きます。
しきみは仏前に捧げられるもくれん科の常緑樹です。
しきびと呼ばれることもあります。
つまり、しきみとしきびは同じものを指しています。
しきみは寺や墓地に植えられたり、お墓参りの際のお供えに使われる植物です。
日本では仏壇やお墓に供えられることが多いです。
関西地方ではよくお葬式の際に使われ、地方によっては花輪になっていることもあります。
しきみには独特の香りがあり、お香と同じ効果があるとされます。
お香の原料としても使われています。
昔は自宅で葬儀をするときに悪霊除けやお清めのために玄関にしきみを飾る習慣がありました。
しきみの飾りは大きく、場所をとることから、近年では葬儀場に板樒、紙樒といった印刷されたものを飾ることもあります。
供花としてしきみを飾ることもあり、お葬式の際にはかかせないものとなっています。
いつから仏事に使われているの?
今ではお葬式などの仏事にはかかせないしきみですが、いつごろから使われているのでしょう。
しきみが仏事に使われるようになったのは遺体を火葬ではなく土葬していた時代からです。
土葬は野生動物などによって墓が荒らされてしまうことがたびたびありました。
しきみの独特の香りは野生動物が嫌うため、墓荒らし予防のためにお墓に供えられるようになったのが始まりです。
また、この独特の香りは悪霊や魔物を近づけないと考えられており、悪霊除けの意味も込められています。
地域によっては埋葬や納骨の際にしきみを1本供えるという習慣があります。
現在ではこのような習慣の他に、お通夜やお葬式の会場の入り口に門樒として飾られたり、墓石の脇に植えられたりします。
墓参りで見かけるしきみ(樒)とさかき(榊)の違いは?
榊とは?
しきみとともによく耳にする植物として榊があります。
榊とはどのようなものなのでしょうか。
榊とは常緑性の小高木です。
茨城県や石川県より西の地方、四国や九州に分布する樹木です。
日本では古くから神事に用いられてきました。
榊は神棚に備える植物として知られています。
神社でのお祓いの時に神主さんが持っているのが榊です。
榊には人間の住む場所と神様の住む場所の境に生える木という意味があります。
また、栄える木が転じて榊となったなど諸説あります。
しきみと榊の違いとは?
このように、しきみと榊はどちらも供えものとして使われる植物です。
仏式のお葬式ではしきみ、神式のお葬式では榊を使うという違いがあります。
お供えの時には仏壇にはしきみ、神棚には榊というように使い分けます。
お寺ではしきみ、神社では榊ということになりますね。
では、お墓参りの時にはどうしたらいいのでしょう。
榊はあまりお墓にはお供えしないようです。
榊を供えるのは神棚がほとんど。
一方しきみは仏様を大切に思うという意味もあるため、お墓に備えるのは榊ではなくしきみとなります。
墓参り供花の種類ほかに適しているのは?
お墓参りにお供えするのは必ずしもしきみでなければいけないという決まりはありません。
故人が好きだった花を供える場合が多いです。
では、お墓参りの供花に適しているのはどのような花なのでしょう。
お墓参りに適した花とは?
お墓参りの際には仏花を持っていくことが多いでしょう。
仏花とは同じ種類の花2束で1対とされており、スーパーなどでも売られていますね。
亡くなってから四十九日以内にお供えする場合には白一色とするのがマナーです。
それ以降には白、赤、黄色、紫、ピンクを基本とした明るい花をお供えします。
3色の場合には白、黄色、紫とします。
花の種類としては菊が一般的で輪菊、小菊、洋菊、カーネーションなどです。
また、季節によっても違いがあります。
春にはアイリスや金仙花、スターチス、夏にはリンドウやグラジオラス、ケイトウなどを供えます。
このような花は仏花になりますが、必ずしも仏花を供えなくてはいけないという決まりはありません。
故人が好きだった花がある場合にはその花を供えて問題ありません。
また、季節の花を供える場合もあります。
地方によって供える花にしきたりがあることもあります。
ですが一番大切なのは故人を思って花を選ぶことです。
お供えに向かない花とは?
実はお供えに向かない花があります。
基本的にとげがある花は供えないようにします。
バラは美しい花を咲かせますがとげがあるのでお供えには不向きです。
毒がある花も避けましょう。
また、赤い花は祝福を表すのでお墓へのお供えには向きません。
傷みやすい花や散りやすい花も避けたほうがよいでしょう。
まとめ
このように、お墓参りに行くときの供花はしきみ、または仏花が一般的です。
榊は神棚に供えるものであり、お墓には供えませんので注意しましょう。
故人が好きだった花がある場合にはその花を供えて問題ありません。
赤色は避け、毒やとげがある花を選ばないようにしましょう。