ロタウイルス感染の時の消毒薬は何が効果的なの?嘔吐物の処理とトイレ掃除は?

ロタウイルスとは、0歳から5歳の間にほぼ100%の子供が感染するといわれるウイルスです。

感染すると激しい下痢と嘔吐を引き起こし、重症化すると命にかかわることもあります。

ロタウイルスは接触感染するため、ロタウイルスに感染した子供がいる場合にはきちんと消毒をする必要があります。

今回はロタウイルス感染時の消毒薬と嘔吐物の処理やトイレ掃除についてご紹介します。

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ロタウイルス感染の時の消毒薬は何が効果的なの?

・ロタウイルスにはアルコールは効かない

病院に行くとアルコール消毒ジェルが配置してあるのをよく見かけませんか?

街でよく見かけることもあり、消毒と聞くとアルコール消毒を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかしロタウイルスに対して、アルコール消毒は効果がありません。

ウイルスの細胞膜は脂質を中心とした成分でできており、アルコールはその細胞膜を破壊することで除菌効果を示します。

しかし、すべてのウイルスに細胞膜があるわけではありません。

ロタウイルスには細胞膜がないため、アルコールがもつ除菌作用では消毒することができません。

では、ロタウイルスの消毒には何を使えばよいのでしょうか。

ロタウイルスの消毒には、有効な薬剤が2種類あります。

・次亜塩素酸ナトリウム

次亜塩素酸ナトリウムは塩素系消毒剤の一種です。

ミルトンやテキサントといった商品が次亜塩素酸ナトリウムになります。

次亜塩素酸ナトリウムは排泄物や環境、非金属器具の消毒に使用することができます。

次亜塩素酸ナトリウムはほぼすべての微生物に対して消毒効果を示す消毒薬です。

次亜塩素酸ナトリウムは強力な酸化作用で殺菌をします。

毒性が強いため、人に対して直接使用することはできませんので手の消毒には使用できません。

金属に対しても腐食性があり、衣類に対しては漂白作用があるので使用する対象には注意が必要です。

販売されている薬剤を所定の濃度に希釈して使用するため、手間はかかりますが、ロタウイルスに対して高い効果を発揮します。

・二酸化塩素

二酸化塩素も次亜塩素酸ナトリウムと同じく塩素系の消毒剤です。

二酸化塩素は強い酸化作用でウイルスの持つたんぱく質の構造を変化させることで殺菌作用を示します。

二酸化塩素は次亜塩素酸ナトリウムよりも高い酸化力を持ち、有害ガスの発生も少ないことが特徴です。

浄水場での飲料水の殺菌にも使用されています。

スタクロンやエアドクターゲルなどの商品が二酸化塩素です。

希釈せずに使える洗剤が多く、次亜塩素酸ナトリウムよりも使いやすいですが、値段が次亜塩素酸ナトリウムよりも高いです。

ロタウイルス感染時、嘔吐物はどうやって処理したらいい?

お子さんがロタウイルスに感染してしまったとき、嘔吐物はでどうやって処理したらよいのでしょうか。

・準備するもの

まず、お子さんが嘔吐してしまった場合には、吐物を処理する人以外は近寄らないようにしましょう。

マスク、使い捨て手袋、キッチンペーパー、ビニール袋、使い捨て雑巾、使い捨てエプロンを用意します。

・洗剤の作り方

嘔吐物の処理用の洗剤の濃度は0.1%とします。

ミルトンを使う場合には水500mlに対してミルトン50mlです。

ハイターの場合には水500mlに対してハイター10mlになります。

嘔吐物の処理時はスプレーボトルに入れておくと便利です。

・嘔吐物の処理

まずは嘔吐物の飛び散りを防ぐために、嘔吐物の上からキッチンぺーパーをかぶせます。

上から消毒薬をスプレーしてキッチンペーパーと一緒に嘔吐物を包んでビニール袋に入れます。

嘔吐物が片付いたら、その部分の床に消毒薬をスプレーして、さらに洗剤をしみ込ませたキッチンペーパーで拭き掃除します。

10分後に水拭きしましょう。

・嘔吐物の廃棄について

包み取った嘔吐物や拭き掃除に使用したキッチンペーパーや雑巾はまとめてビニール袋に入れます。

そのビニール袋の中身が十分に浸るくらいの量の消毒薬を入れて、袋を2重にして口を縛って捨てましょう。


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ロタウイルス感染時、トイレ掃除はどうやってしたらいい?

ロタウイルスに感染すると、嘔吐や下痢が頻回になります。

その用を足すのはほとんどがトイレになるため、感染予防のためにはトイレ掃除が非常に重要になります。

ここではロタウイルス感染時のトイレ掃除の方法についてご紹介します。

・トイレ掃除の方法

トイレを消毒する場合には、先ほどご紹介した方法で作った消毒液を使用します。

トイレ掃除と同じ要領でこの消毒液を使って掃除をします。

注意することは、トイレの便器だけではなく、床やドアノブなど手が触れる部分すべてをしっかりと消毒するという点です。

とくに、床は水や嘔吐のしぶきが飛び散りやすく、ウイルスが繁殖しやすい場所になります。

ノロウイルスは発症してから症状が治まっても2~3週間は感染力が持続します。

そのため、症状が治まったからといって消毒をやめるのではなく、3週間は消毒液をつかってしっかりと掃除をしましょう。

・注意すること

トイレ掃除は、トイレで下痢や嘔吐をしてからすぐに行ってください。

放置すればするほどウイルスが繁殖します。

そうするとトイレ掃除の回数が頻回になるため、消毒液を作ってスプレーボトルやペットボトルに入れておく方も多いと思います。

作り置きするのはいいのですが、それをお子さんが誤って飲まないように十分注意してください。

洗剤と水は色がほとんど同じですので、誤飲してしまう可能性もあります。

お子さんの手の届かない場所におくように注意しましょう。


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まとめ

このように、ロタウイルスは感染力が強いため、アルコールでは除菌できません。

他のお子さんや家族に移さないためにも、正しい方法でまめに掃除を行ってください。

また、次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素は毒性が強いため、手で直接触れないように必ず手袋をして触れるようにしましょう。・

掃除の後は窓を開けて換気し、できるだけ短時間で掃除を済ますようにしましょう。

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